めぶきフィナンシャルグループは、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進に向けて、業務のデジタル化やデジタル技術の活用によって、お客さま向けサービスの利便性向上や社内業務の効率化を進めています。銀行サービスや社内業務で培ったDX推進ノウハウは、地域や取引先企業さま向けのDXコンサルティング提案などにつなげており、地域金融機関として地域のみなさまに事例やサービスとして還元できるよう、DXの取り組みを加速しています。
当社グループが目指すDX戦略
DX戦略ロードマップ
戦略分野を大きく5つに区分し、それぞれについて主な取り組み事項と目指す姿を定義しました。これらを当社グループの全体的な方向性として見据え、これを当社グループ内各社の実態を踏まえながら戦術レベルに落とし、半年ごとの業務計画や短期目標を立てて推進しています。
目指す姿(To-Be) | 主な取り組み事項 | |
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伝的的業務のデジタル化・業務革新 | ほとんどの業務がデジタル化され、煩雑な事務処理から担い手を解放。行員はヒトならではの生産的業務に専念している。AI技術等も活用し、業務高度化やパーソナライズ化が図れている |
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デジタルチャネルの利便性向上・顧客接点の拡大 | お客さまはUXの高いデジタルチャネルを通じ、いつでもどこでもさまざまな取引・手続きを安全に利用できる。当該チャネルは多くの顧客・取引先に日常使いされ、さまざまな顧客層に幅広く浸透している |
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データ利活用の強化 | さまざまなデータがDBに収集・集約・蓄積され、経営管理・企画立案・営業推進等に必要なデータを汎用的に利活用することができる。これにより新たな気づき・価値が利用者に提供されている |
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DX基盤の強化 | DX人材が数多く育成され、保有スキルは定期的にブラッシュアップされている。主要システム基盤は、外部環境変化に対する柔軟性や高度なセキュリティが確保されており、執務環境の多様化にも対応している |
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取引先や地域へのDX支援・協業 | DX支援の充実に向け、グループ会社やビジネスマッチング先、外部先進企業等との協業によるDXコンサルティングの推進態勢が整っている。地域DX事業に対しても適切な形で金融機能が提供されている |
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経産省「DX認定事業者」に認定
当社は2022年11月1日に「DX認定事業者」として認定されました。DX認定制度は、「情報処理の促進に関する法律」に基づき、経済産業省が定めるデジタルガバナンス・コード※の基本的事項に対応する企業を国が認定する制度です。
※デジタル技術による社会変革を踏まえた経営ビジョンの策定や公表等を、「経営者が実践すべき対応」として経済産業省が取りまとめたものです。
DXにおける重点取り組み項目とその概要
ペーパーレスの徹底(デジタイゼーション・デジタライゼーション)
全部署・全営業店を含め、社内全体が当事者として取り組めるDX基盤として、ペーパーレスの徹底に取り組んでいます。紙を減らすことで、CO2排出の削減や資源保全に直接的な貢献が行えるほか、紙を使わない業務フローを検討する過程で様々なDX課題が浮き彫りになり、ゼロベースで業務を見直すことにもつながっています。今後は業務ログや帳票内の様々なデータがデジタルデータとして蓄積されていきますので、今後のデータ利活用の基礎データとしても活用してまいります。
常陽銀行のペーパーレス実績
デジタル浸透度の向上(デジタル取引・セルフ取引へのシフト)
いつでも・どこでも・便利に・わかりやすく銀行取引を行えるよう、お客さま自身のスマートフォンやパソコンを活用した各種デジタルサービスの充実を行っています。個人向けでは、バンキングアプリを中心にUI/UXにこだわったデジタル完結サービスを展開。マニュアル不要・申込手続不要ですぐに利用できる環境を構築・提供しております。事業者向けでは融資契約の電子契約化や手形小切手の電子化(でんさい移行)を進めています。
バンキングアプリのユーザー数と利用者層
法人インターネットバンキングの契約状況と電子契約率
データ利活用(経営ダッシュボード・パーソナライズドマーケティング)
ペーパーレスを通じたデジタライゼーションが進み、お客さま取引もデジタル完結になると、新たな価値としてデータ利活用の幅が広がります。こうした収集データは、第1に経営判断の迅速化に活用し、変化の激しい外部環境にいち早く対応できるよう、経営ダッシュボード化を図ってまいります。
BIツールを活用した経営ダッシュボードのイメージ
第2に、マーケティングへの活用です。既に、企業融資の資金需要予測や資産運用・ローン取引等の需要予測にAIを活用しているほか、Web上の操作ログや取引履歴データをもとに、ニーズが顕在化しているお客さまへのタイムリーな情報提供に向けて試行錯誤を重ねています。こうした取り組みを更にレベルアップするため、2022年にデータ利活用基盤の刷新を計画。2023年度より開発を進めております。よりお客さま1人ひとりに合った情報提供(パーソナライズ)を実現していきます。
MAツールを活用したパーソナライズドマーケティングのイメージ
運用 | ロジック | |
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現状 |
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導入後 |
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店頭営業スタイルにおけるDX
全店コンサルステーション化(店頭DXによる相談中心店舗への変革)
営業店の店頭では、デジタル技術を活用してお客さまと行員双方の事務手続きの煩雑さから解放し、人が人ならではの価値を提供できる店頭づくりを進めています。既に現金を取り扱わない(セルフサービス型の)店舗形態を順次展開していますが、これを全店に拡大することで、「待たない・書かない・話しやすい店舗」へと変革し、お客さまの相談利便性を拡大していきます。
取引先企業や地域へのDX支援・協業
DX支援事業やDXコンサルティングの実施
取引先企業や自治体のみなさま向けに、各種セミナー等を通じた情報提供とソリューションの紹介を行っています。
常陽銀行では、「DX成功事例オンライン説明会」を月2回の頻度で2023年3月までにのべ30回実施し、参加者数はのべ8,000人を超えています。足利銀行では、医療機関向けのサイバーセキュリティ対策セミナーなど、業種別で時流に合わせたテーマのセミナーを実施しております。
2022年度は、特に「改正電子帳簿保存法(電帳法)」および「消費税の適格請求書等保存方式(インボイス制度)」の開始に合わせて、取引先企業や地域のみなさま向けにアンケート等を取得しながら制度対応状況を地域レベルで把握し、必要なソリューションの提案活動や電子化支援などを進めてきました。
個別企業さまの経営課題に寄り添ったDXコンサルティング・伴走支援も実施しており、こうした取り組みは経済産業省「デジタルガバナンス・コード」実践の手引き2.0(下記リンク)にも常陽銀行の事例が掲載されました。
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dx-chushoguidebook/contents.html
ビジネスマッチング件数(IT・デジタル化分野)
DX基盤の強化
DX人材育成の状況
DXを組織的に前進させるためには、それを支えるシステム基盤の刷新と人材の育成が必要となります。当社グループでは、長期目線では基幹システムの刷新や営業店システムの更改などを検討しているほか、中期目線では更改期限を迎える各個別システムのモダナイゼーション(現在のビジネス環境に合わせた最新化)を進めています。
DX人材の育成においては、DXリテラシーに応じた3段階の基準(リーダー人材、コア人材、ベース人材)を設置。中期経営計画にてそれぞれの育成目標を掲げて取り組んできました。ベース人材の育成では、組織全体のリテラシー向上を図るためITパスポートの取得を広く推奨し、中期経営計画の目標人数3,000名を計画初年度に前倒しで達成したほか、同様にコア人材の育成目標400名も達成済です。今後は、変化が激しく進化の早いデジタル外部環境に対応するため、更なる育成強化と知識のアップデートを進めていきます。
DXベース人材(ITパスポート取得者)推移(銀行合算)
育成の取り組み
- IT関連企業へのトレーニー派遣による先端ノウハウの吸収
- 社内人材発掘を目的とした社内デジタル部署へのトレーニー公募
- ITコーディネータ、データサイエンスやローコード開発等の各種テーマ別研修の実施
- デジタル関連資格取得推奨と継続的な学習環境の提供