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気候変動・自然関連課題への取り組み(TCFD・TNFDへの対応)

経済の発展は生活環境や教育といった社会条件に基づいて成り立ち、また、社会は自然環境によって支えられております。したがって、持続可能な地域社会の実現および地域社会と当社グループの持続的な発展を実現するためには、環境の維持・保全が前提条件となります。当社グループは、気候変動対応・環境保全を、事業戦略上、重要なファクターの一つであると認識しております。今後も、自らの企業活動における環境負荷の低減に努めるとともに、環境保全に寄与するサービスの提供やサプライチェーンへの働きかけなど、事業活動を通じた環境保全への取り組みを強化していきます。また、TCFD・TNFD提言に基づく積極的な情報開示を通じてステークホルダーとのエンゲージメントをより一層強化していきます。

ガバナンス

めぶきフィナンシャルグループは、企業活動の基本方針である「企業倫理」において環境問題への取り組み姿勢について示し、グループ内会社を通じて環境保全活動に積極的に取り組んでいます。また、気候変動対応・環境保全は、サステナビリティを巡る重要な社会課題と認識しており、「脱炭素社会・環境保全への貢献」をマテリアリティとして特定し、サステナビリティにかかるガバナンス体制の中で管理・統括を行っています。

方針の制定

気候変動対応・環境保全を含むサステナビリティ※への取り組みにおける全社的な方針として、「グループサステナビリティ方針」「グループ環境方針」「グループ人権方針」「環境・社会に配慮した投融資方針」「調達・購買ガイドライン」等を制定し、経営の重要事項として各方針に基づき業務運営を行っています。

※当社グループの持続的な成長と地域の環境・社会課題の解決の両立

人権方針とエンゲージメント活動

グループ人権方針」に基づき、地域社会を含むあらゆるステークホルダーの基本的人権を尊重するために、融資先や調達・委託先(サプライチェーン)の企業活動が人権に与える負の影響に関心を持ち、人権尊重の取り組みを進めています。

2024年度のサステナビリティ委員会における気候変動対応・環境保全に関連する主な議事内容

  • TNFD提言に係る開示について
  • 気候変動関連リスクの状況について
  • サステナビリティに関する情報開示について
  • 環境・社会に配慮した投融資方針に基づく投融資の状況について
  • 環境・社会に配慮した投融資方針の改定について
  • マテリアリティの再整理およびグループサステナビリティ方針の改定について

戦略

気候変動関連(TCFD)

当社グループでは、事業活動に影響を及ぼすと想定される気候変動のリスクと機会を特定したうえで、財務インパクトの評価を実施しています。また、評価結果を踏まえ、当社グループの事業活動におけるCO2排出量削減やグループ会社による再生可能エネルギー事業への参入、お客さまへの資金やコンサルティング提供を通じた積極的な気候変動対策支援など、リスクの軽減ないし機会の獲得に向けた対応を進めています。

1.リスク

(1)リスク認識

当社グループが認識する気候変動に伴う主なリスクは以下のとおりです。

リスク 詳細 時間軸
物理的
リスク
  • 地球温暖化の進行による台風・洪水等の急性的な自然災害の激甚化や降水量増加等の慢性的な気候変化
  • お客さまの業績悪化や担保物件毀損の発生による当社グループの与信関係費用の増加
  • 当社グループの拠点が被災することにより事業が継続できないリスクや事業継続にかかる対策・復旧によるコスト増加
短期~長期
移行
リスク
  • CO2排出削減目標の厳格化や炭素税の導入・引き上げなどの法規制強化、産業構造の変化
  • お客さまの業績悪化による当社グループの与信関係費用の増加やそれに伴う投融資方針(セクター別方針)などの事業戦略の見直し等
中期~長期
  • 気候変動問題への取り組み不足や情報開示不足等によるレピュテーション悪化
  • 当社グループの資金調達環境の悪化等
短期~長期

※短期:5年程度、中期:10年程度、長期:30年程度

(2)シナリオ分析

当社グループでは、気候変動シナリオを考慮した当社グループの組織戦略のレジリエンス(強靭性)を評価するとともに、お取引先との対話(エンゲージメント)を強化することを目的として「物理的リスク」、「移行リスク」についてシナリオ分析を実施しており、継続的なシナリオ分析の取り組みの中で、分析手法の高度化や分析対象の拡大等に努めています。2024年度におけるシナリオ分析の概要は、以下のとおりです。

物理的リスク

Ⅰ 定性分析

物理的リスクの観点からお客さまが直面するリスクの分析を実施しています。

評価項目 主なリスク
異常災害の激甚化(急性リスク)
  • 激甚災害による操業継続へのダメージ(売上の減少)
  • 防災対応の強化、物損被害の発生(操業コストの増加)

Ⅱ 定量分析

国土交通省の公表資料等を参考に、4℃シナリオ下でハザードマップ級の洪水が発生する状況を想定し、「不動産担保の毀損」と「お客さまの事業停止に伴う財務悪化」による与信関係費用の変化を分析するとともに、今年度より、同様の状況における当社グループの「自社所有拠点の毀損」の分析を開始しました。

【分析手順】

【分析概要】

リスク事象 洪水による
  • 不動産担保の毀損
  • お客さまの事業停止に伴う財務悪化
  • 自社所有拠点の毀損
シナリオ IPCCによるRCP8.5シナリオ(4℃シナリオ)
分析対象 国内に事業拠点を有するお客さま 国内の全所有建物
分析期間 2050年まで
リスク指標 増加が想定される与信関係費用(信用コスト) 浸水被害が発生する拠点数および毀損額
リスク量 与信関係費用の増加額:最大157億円程度 拠点数:102拠点(全拠点の内16.6%)
毀損額:最大14億円程度

※気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が策定したシナリオ

移行リスク

Ⅰ 対象セクター選定

移行リスク(政策・規制、業界・市場、技術、評判)の観点から当社グループの投融資ポートフォリオにおいて、移行リスクの影響が顕著となるセクターとして、「電力」「石油化学」「自動車」「金属・鉱業」の4セクターを抽出し、同セクターのお客さまが直面するリスクの分析を実施しています。

Ⅱ 定量分析

脱炭素社会への移行に向けた「炭素税の導入」「お客さまの取り組み」「市場の変化」等による影響について、定量分析を実施しています。具体的には、国際エネルギー機関(IEA)の「Net Zero by 2050(NZE)」シナリオの予測データやサンプル企業の公開情報等を基に、「脱炭素社会への移行に伴うお客さまの財務悪化」による当社グループにおける与信関係費用の変化を分析しています。

【分析手順】

【分析概要】

リスク事象 脱炭素社会への移行に伴うお客さまの財務悪化
シナリオ NZEシナリオ※1(1.5℃シナリオ)、RCP2.6シナリオ※2(2℃シナリオ)
分析対象 「電力」「石油化学」「自動車」「金属・鉱業」セクター
分析期間 2050年まで
リスク指標 増加が想定される与信関係費用(信用コスト)
リスク量 与信関係費用の増加額:最大192億円程度
  • ※1 
    国際エネルギー機関(IEA)が策定したシナリオ
  • ※2 
    気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が策定したシナリオ

(3)シナリオ分析結果について

今回の分析手法により算出した当社グループへの影響額は、いずれも限定的であるとの結果になりました。分析結果はお客さまとのエンゲージメントに活用し、お客さまの気候変動対応、脱炭素化に向けた取り組みを支援し、当社グループとお客さまの機会の最大化およびリスクの最小化を目指すとともに、引き続き分析の高度化に取り組んでいきます。

(4)炭素関連資産の状況

当社グループでは、気候変動関連リスクを把握するための取り組みの1つとして、他業種と比較し、気候変動関連リスクによる財務的影響を受けやすいとされる炭素関連業種との取引状況の把握に努めています。当社の総与信残高※1に占める炭素関連業種※2の与信残高および貸出金における割合は次のとおりです。

業種 エネルギー 運輸 素材・建物 農業・食料・林産物
与信額 1,805億円 4,970億円 32,583億円 3,023億円 42,380億円
割合 1.4% 3.9% 25.7% 2.4% 33.5%
  • ※1 
    貸出金、支払承諾、外国為替、私募債、コミットメントライン空枠等の合計。ただし、水道事業、再生可能エネルギー発電事業を除く。
  • ※2 
    TCFD提言における対象業種はGICS(世界産業分類)における業種分類を推奨していますが、当社では日銀業種分類に当てはめて集計しているため、差異が生じる場合があります。

2.機会

(1)機会認識

当社グループが認識する気候変動に伴う主な機会は以下のとおりです。

詳細 時間軸
ビジネス機会の増加
  • 脱炭素化に向けた気候変動関連ビジネス(コンサルティング、商品・サービスの提供等)需要の増加
  • 再生可能エネルギー関連融資をはじめとするサステナブルファイナンス等の取引拡大
  • 異常気象災害へ備えるインフラ投資、被害(事業所や住宅の毀損等)を低減させるための設備投資等への資金需要の増加
短期~長期
コスト削減
  • 省資源、省エネルギー化等による当社グループの事業コストの低下
短期~長期
社会的評価の向上
  • 気候変動対応強化と積極的な開示による企業価値・社会的評価の向上
中期~長期

※短期:5年程度、中期:10年程度、長期:30年程度

(2)認識した機会に対する取り組み

カーボンニュートラルに向けた取り組みや温暖化に伴い激甚化・頻発化が進んでいる災害への備えは、上場・大手企業だけでなく、地域の中小企業にとっても事業継続や持続的成長に不可欠な要素であり、重要な経営課題となっています。このような環境を踏まえ、資金供給やコンサルティングを通じて、お客さまの気候変動対策を積極的に支援しています。(詳細はこちらを参照してください。)

主なサービス一覧

非金融サービス 金融サービス
意識啓発
  • SDGs宣言書作成支援サービス
  • SDGs/脱炭素関連セミナーの開催
  • SDGs簡易評価付帯融資
GHG排出量削減
  • GHG排出量算定・削減支援
  • 再生可能エネルギーの供給
  • J-クレジット販売・購入支援
  • ESGファイナンス
  • 太陽光発電設備支援融資
  • 電気自動車向けマイカーローン
災害対策
  • 災害対策コンサルティングサービス
  • 損害保険付帯融資

自然資本関連(TNFD)

TNFD提言を参考に、当社グループの事業活動における自然への依存と影響、リスクと機会の分析を行いました。今後も、調査・研究を重ね、分析の高度化を進めていきます。

1.依存と影響

当社グループを含む多くの企業は、自然と関わりながら事業活動を行っています。銀行業務を中心とする金融サービス事業を営む当社グループにおいては、当社グループの事業活動による直接的な自然への依存と影響だけでなく、投融資活動を通じた間接的な自然への依存と影響を把握する必要があると考え、当社グループにおける投融資額の上位セクターについて、ENCORE※のデータを活用したヒートマップを作成し、セクターごとの自然への依存と影響を分析・整理しました。

  • ※ENCORE…
    国連環境計画世界自然保全モニタリングセンター(UNEP-WCMC)や自然資本金融同盟(NCFA)などによって開発された分析ツール。セクターごとの自然への依存度や影響度などの分析が可能。

(1)分析結果

分析・整理の結果、セクター横断的に依存度が高い生態系サービスは、「土壌と土砂の保持」「暴風雨の軽減」「洪水の軽減」であることが分かりました。また、自然との関連性が高いセクターとして「建設・土木」「食品」を特定し、各セクターにおける特徴的な自然との関わりを整理しました。
これらの生態系サービスを維持するためには森林などの自然資本の維持・増強のほか、温室効果ガスなどの自然に対し負の影響を与えうる排出物の抑制や、天然資源の消費抑制・循環資源の有効活用が重要であると考えております。

(2)分析結果を踏まえた対応

分析結果を踏まえ、引き続き、お客さまの脱炭素化支援や、森林由来のカーボンクレジットの販売促進、植樹活動などの自然保護活動に積極的に取り組むとともに、分析の高度化に努めてまいります。

当社グループと自然資本との関わり

ヒートマップによる分析

セクター名 依存・影響度の高い自然との関わり 備考
❶セクター共通
依存
土壌と土砂の保持
暴風雨の軽減
洪水の軽減
暴風や洪水、土砂崩れなどの局所的な災害は生命や健康、財産に大きな脅威を及ぼし、多くの事業活動に影響を与えます。
森林やサンゴ礁、海草、湿地帯などは、天然の防壁または緩衝帯として、これらの自然災害の影響を軽減するはたらきがあります。
❷建設・土木
依存
降雨パターンの調整:H
森林などの植生は蒸発散を通じて降雨を維持し、大気中に水分を再循環させます。
適切な降雨パターンの調整は、湿地や河川などの生態系を維持し、安定した農作物の成長に必要な水分を供給するほか、河川の急激な増水を防止するはたらきもあります。
特に建設・解体、土木工事は洪水などによる現場の損害リスクを軽減する効果に依存しています。
影響
攪乱(騒音・光など):VH
有毒物質の排出:H
建設・解体・廃棄物処理の過程における騒音や光の発生、有毒化学物質(塗料や溶剤など)の流出は、水や土壌を汚染し、種の個体群や生息地に悪影響を与える可能性があります。
❸食品
依存
水の浄化:VH
水の供給:H
水量の調整:H
農業、畜産・酪農、漁業、食品製造活動は、作物の栽培、清掃、衛生管理などに大量の良質な水を必要とします。
そのため、森林や土壌、微生物が水を浄化し、湿地や河川などが適切な水量を調整することにより供給される生態系サービスに依存しています。
影響
水使用量:H
一方、大量の水を使用するため、特に水資源が限られている地域では、住民やその他の産業が必要な水を確保するのが困難になり、生活の質や経済活動に深刻な影響を及ぼします。

2.リスクと機会

(1)リスク認識

TNFDでは、自然関連リスクを、自然に対する依存と影響から生じ、組織にもたらされる潜在的な脅威とし、物理的リスク、移行リスク、システミックリスクの3つに分類しています。
当社グループが現時点で認識しているリスクの詳細は、こちらをご覧ください。

(2)機会認識

TNFDでは、自然機会の分類は、ビジネスパフォーマンスに関するもの(企業業績に関する機会)と、サステナビリティ・パフォーマンスに関するもの(持続可能性のパフォーマンスに関する機会)に分類され、この2つのカテゴリーは互いに排他的なものではないとしています。
当社グループが現時点で認識している機会の詳細は、こちらをご覧ください。

(3)認識したリスクと機会に対する取り組み

当社グループと自然との関わりについて定性分析により整理しましたが、具体的な戦略の実行に向けては、更なる分析の高度化を図る必要があると考えています。
今後は、地理的な特性や各セクターの特性等を考慮し、定量的な分析を行うなど、分析の高度化を図り、当社グループおよび地域やお客さまのリスクの最小化と機会の最大化の実現を目指していきます。

リスク管理

当社グループは、経営の健全性・安全性を確保しつつ企業価値を高めていくために、業務やリスクの特性に応じてリスクを適切にコントロールしていくことを経営の最重要課題の一つとして認識し、リスク管理態勢の高度化に取り組んでいます。
今後も、リスク管理体制の高度化に努めるとともに、お客さまとのエンゲージメントを通して把握した課題やニーズに対する最適なソリューションを開発・提供し、ビジネス機会の創出とリスクの低減・回避の両立を図っていきます。

1.トップリスク管理

経営・戦略に影響を与えるリスク事象のうち、蓋然性や影響度、注目度の観点から特に重要度の高いリスクをトップリスクとして取締役会において選定し、リスクシナリオに基づく予兆管理やリスクコントロール策を講じています。
気候変動や自然資本に関しても「気候変動・環境問題への対応の遅れ」「大規模地震・風水害等の発生」をトップリスクとして選定し、管理しています。

2.統合的リスク管理

多様化・複雑化する金融業務の各種リスクを個々に管理するとともに、リスクを相対的に管理するため、信用リスクや市場リスクなどの異なるリスクをVaRなどの統計的手法を用いて定量的に把握する「統合的リスク管理」を行っています。

3.「環境・社会に配慮した投融資方針」の策定

2021年3月に「環境・社会に配慮した投融資方針」を定め、環境・社会に負の影響を与える可能性のあるセクターへの投融資の低減・回避に努めてきました。
今般、第4次グループ中期経営計画の開始とあわせ、環境問題や社会課題の解決を目指す取り組みをより積極的に支援するとともに、環境・社会に負の影響を与える可能性がある投融資については、より慎重に対応することで、持続可能な地域社会の実現に向けた取り組みを一層強化するため、「環境・社会に配慮した投融資方針」の改定を行いました。
引き続き本投融資方針に則った投融資活動を行うとともに、適切な運営が成されているかについて定期的なモニタリングを行ってまいります。

※「環境・社会に配慮した投融資方針」および改定内容の詳細は、以下のページを参照してください。

4.気候変動リスクの波及

シナリオ分析や定性分析の結果を踏まえ、気候変動リスクは、信用リスクやオペレーショナルリスクのほか、広範かつ複雑な経路やさまざまな時間軸を通して波及し、当社グループの事業運営・戦略・財務計画に大きな影響を及ぼす可能性があると認識しています。
当社グループの事業が気候変動によって受ける影響を把握し、評価するため、気候変動により想定されるリスクの波及範囲を考察し、シナリオ分析を行い、現時点で想定される気候変動のリスクと機会を特定しています。

物理的リスク 移行リスク
信用リスク 自然災害激甚化の影響で、お客さまの資産が被災することによる担保価値の毀損、お客さまの事業停滞・業績悪化に伴う信用リスクの増加 脱炭素社会への移行に向けた、政策・規制、マーケット、技術開発等の変化への対応不足等による、お客さまの業績悪化に伴う信用リスクの増加
市場リスク 自然災害激甚化の影響による有価証券等の価値の下落に伴う市場リスクの増加 脱炭素社会への移行に伴う投資先の業績悪化や、市場における投資家の行動の変化による有価証券等の価値の下落に伴う市場リスクの増加
流動性リスク 自然災害激甚化により被災した顧客の資金繰り悪化による預金引出など資金流出の増加に伴う流動性リスクの増加 気候変動リスクへの対応不足などによる当社グループの格付低下を受けた市場調達コストの上昇、預金流出に伴う流動性リスクの増加
オペレーショナルリスク 当社グループの拠点被災による有形資産リスクの増加、事業中断や防災コストの増加 脱炭素社会への移行への対応不足(開示の不足や炭素関連資産の保有)によるレピュテーショナルリスク(風評リスク)の増加

5.自然資本にかかるリスクおよびインパクト管理

自然資本に関する分析は、ENCOREを活用したヒートマップ作成による分析など、定性分析にとどまっている状況です。リスクおよびインパクト管理を行うためには、優先セクターや地域の特定、定量分析を行うなど、分析の更なる高度化をはかる必要があると認識しています。
今後は、地理的な特性を考慮した自然資本関連の分析、シナリオ分析への取り組みなどにより、リスクと機会に関する分析の高度化をはかるとともに、信用リスク、市場リスク、オペレーショナルリスク等のリスクカテゴリーごとの影響や時間軸についての分析を深め、リスク管理態勢の構築に努めてまいります。

指標と目標

当社グループは、脱炭素社会およびネイチャーポジティブの実現に向けて、目標の設定とロードマップを策定するとともに、各種指標によりモニタリングを行っています。これらの目標・指標の進捗状況は、定期的にサステナビリティ委員会および取締役会へ報告し、戦略への反映・監督を行っています。

1.サステナブルファイナンス

2021年度から2030年度におけるサステナブルファイナンスの累計実行額を3兆円(うち環境分野2兆円)を目標として設定し、積極的に取り組んでいます。(取り組みの詳細は、こちらをご参照ください。)

2.CO2排出量

当社グループ全社におけるCO2排出量(Scope1、Scope2)を2030年度にネット・ゼロとすることを目標として設定し、達成に向けて取り組んでいます。

(1)Scope1、Scope2

2024年度実績 2013年度比▲64.5%

2024年度の主な取り組み

省エネ化

  • 「JOYO GXプロジェクト」による省エネ活動の推進。

再エネ化

  • 常陽銀行:「常陽アクアパワー花貫川第一発電所」由来のFIT非化石証書を活用し、営業拠点約78カ店分の実質再生可能エネルギー電力を調達。
  • 足利銀行:栃木県内の中核拠点20ヵ店に実質再生可能エネルギー電力を導入。

(2)Scope3

2024年度における常陽銀行および足利銀行合算のScope3排出量は以下のとおりです。

カテゴリー 排出量
(t-CO2eq)
①購入した商品・サービス 13,981
②資本財 9,328
③Scope1~2に含まれない燃料およびエネルギー活動 2,533
④輸送、配送(上流) 468
⑤事業から出る廃棄物 27
⑥出張 1,081
⑦雇用者の通勤 3,248
⑮投融資 29,452,756
合計 29,483,426

※カテゴリー8~14は算定による排出量がゼロ

※カテゴリー1~7は、「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン(ver.2.7)」(環境省・経済産業省2025年3月)および「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース(Ver.3.5)」(環境省2025年3月)を参考に算出しています。

※カテゴリー15は、投融資ポートフォリオにおける温室効果ガス排出量を計測・開示する方法を開発する国際的なイニシアティブであるPCAF(Partnership for Carbon Accounting Financials)の算定基準に基づき算出しています。

カテゴリー15(投融資)

今年度よりPCAF公認の炭素会計プラットフォームである「Persefoni」の使用を開始し、対象範囲の拡大や算定方法の高度化(DQ5による算定など)を図りました。
今後も算定範囲の拡大や高度化を図るとともに、算定結果をお客さまとのエンゲージメントに活用し、脱炭素社会の実現に貢献していきます。
詳細は、こちらをご覧ください。

(3)CO2排出量削減ロードマップ

サステナビリティ長期KPIである「2030年度CO2排出量ネット・ゼロ(Scope1、2)」の達成に向け、ロードマップ(2022年6月作成)に基づき、当社グループの事業活動における排出量削減に取り組むとともに、エンゲージメント活動を通じてお客さまの脱炭素化支援を進めています。
今後も、技術動向や環境変化等を踏まえ、適宜ロードマップの見直しを行い、目標達成に向けた取り組みを進めていきます。

3.インターナル・カーボンプライシング(ICP)

脱炭素化への取り組みを更に強化するため、インターナル・カーボンプライシング(ICP)※を導入しています。
現在は、設備の導入を検討する際、その設備によるCO2排出量を金額換算し、投資判断に組み込むことで、CO2排出量の削減に活用しているほか、社内の意識啓発等に活用しております。
価格は、長期的な炭素価格見通しを公表している公的機関のIEAにおけるNZE(2050年のCO2排出量ネットゼロ達成を想定したシナリオ)を参考に設定しました。今後も動向を注視し、適宜見直しを行います。

※企業がビジネスの過程で排出する二酸化炭素の量に自主的に「価格付け」を行う取り組み。